
小学校で行われる運動会は、子どもたちのがんばりが結集する、とても大切な行事の一つです。
その中でも、PTA会長が壇上に立って行う祝辞は、会の始まりを彩る大切な役割を持っています。
けれども、「どんなことを話せば良いのか分からない」「子どもたちや保護者にどうすれば思いが伝わるのだろう」と、悩む方も少なくありません。
今回の記事では、PTA会長として運動会でスピーチをする際に心がけるべきことや、実際にそのまま使える例文をたっぷりとご紹介します。
「印象に残る挨拶をしたい」「みんなの心に届くメッセージを伝えたい」と思っている方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
このガイドを読み終える頃には、祝辞への不安がなくなり、自信を持ってステージに立てるようになることでしょう。
PTA会長が運動会で伝えるべき祝辞の基本
小学校の運動会では、開会式におけるPTA会長の祝辞がとても重要な意味を持っています。
この挨拶を通して、子どもたちのやる気を引き出し、先生方や保護者、地域の皆さんの気持ちをひとつにする役割があるからです。
では、どうすれば聞いている人たちの心に届く祝辞になるのでしょうか?
ここでは、そのために押さえておきたい基本的なポイントについて、詳しくご紹介していきます。
適切なスピーチの長さはどのくらい?
スピーチの長さには正解があるわけではありませんが、運動会という活発な場では、なるべく短く、テンポ良く話すことが好まれます。
おすすめは、およそ1〜3分以内。文字数に換算すると700〜800字程度が目安となります。
スピーチの時間と文字数の関係は、以下の表をご覧ください。
| 時間の目安 | おおよその文字数 | 備考 |
|---|---|---|
| 約1分 | 250〜300字 | 最低限の内容にしぼった挨拶におすすめ |
| 約2分 | 500〜600字 | 全体のバランスが良く、自然な長さ |
| 約3分 | 700〜800字 | じっくりと話したい時、また感謝の言葉が多い場合 |
特に、小学校低学年の子どもたちは集中力が持続しにくいため、あまりに長い挨拶は避けた方が無難です。
また、早口ではなく、ゆっくり丁寧に話すことを意識しましょう。そうすることで、聴衆にきちんと気持ちが届きます。
祝辞で大切にしたい3つの基本姿勢
効果的なスピーチを行うためには、以下の3つを意識して話すことが大切です。
-
明るく元気な声で:最初の「おはようございます!」から、元気よく始めることで会場の雰囲気が和みます。
-
ハキハキと丁寧に:はっきりとした発音で、聞いている人に伝わるように話しましょう。
-
シンプルに短くまとめる:長すぎる話は注意力が散漫になりがちなので、伝えたい内容をしっかりしぼりましょう。
これらを心がけるだけで、スピーチの印象は大きく変わってきます。
挨拶に盛り込むとよい内容とは?
祝辞に入れる内容はたくさんありますが、すべてを盛り込むと長くなってしまいます。
そこで、場の雰囲気や会の流れに応じて、必要な要素を選んで話すようにしましょう。
| 要素 | 内容例 |
|---|---|
| 運動会開催の喜び | 「本日、無事にこの日を迎えられたことをうれしく思います」など |
| 天候への言及 | 「秋晴れの中、運動会日和となりました」など |
| 子どもたちの努力をほめる | 「みんなの練習の成果を今日は見せてください」 |
| 子どもたちへの励まし | 「全力でがんばる姿が何よりも輝いています」 |
| 教職員への感謝 | 「先生方の日頃の指導に感謝しています」 |
| 保護者や地域の協力への感謝 | 「日々の温かな支えに、心から感謝申し上げます」 |
| 安全面への配慮を呼びかけ | 「水分補給や体調管理に十分気をつけてください」 |
| 締めくくりのメッセージ | 「今日という日が、すばらしい思い出となりますように」 |
カンペを使っても問題ない?
スピーチの場では、「原稿(カンペ)を見ながら話しても良いの?」と悩む方がいるかもしれません。
結論から言うと、運動会ではカンペを見ながら話しても問題ありません。
ただし、顔をずっと下げていると聞き手との距離ができてしまいます。
できれば、要点を記したメモを用意し、時おり顔を上げて、子どもたちや保護者の方と目を合わせながら話すと、ぐっと印象が良くなります。
実践編:PTA会長の祝辞の構成と作り方
では、実際に祝辞を作るときは、どんな順番で話を組み立てればよいのでしょうか?
以下に、スピーチの構成をシンプルにまとめてみました。
-
冒頭のあいさつ:「皆さん、おはようございます!」と明るく始める。
-
運動会開催の喜びと感謝:「この日を迎えられたことをうれしく思います」
-
天候についての一言:「今日は爽やかな秋晴れですね」など
-
子どもたちの努力への賞賛:「これまでの練習、本当にがんばりましたね」
-
応援メッセージ:「全力で、最後までやりぬいてください」
-
教職員・保護者への感謝:「先生方や保護者の皆さまに感謝いたします」
-
安全への呼びかけ:「水分補給を忘れずに、無理せず楽しんでください」
-
締めの言葉:「素敵な一日になりますように」
この流れに沿って話すと、聞いている人にも伝わりやすく、まとまりのある祝辞になります。
そのまま使える!祝辞の実例(全文)
以下は、実際にそのまま使えるスピーチの例文です。
当日の天候や子どもたちの様子に応じて、アレンジしてご活用ください。
例文1
皆さん、こんにちは。
本日は、子どもたちが楽しみにしていた運動会の開催日です。
これまでの練習の成果を、今日という舞台でしっかり発揮してくれることと思います。
教職員の皆さまには、日頃の熱心なご指導に心から感謝いたします。
保護者や地域の皆さま、本日はお忙しい中、ご参加いただきありがとうございます。
どうか温かい声援を送っていただき、子どもたちを応援してください。
それでは、安全に気をつけて、素晴らしい一日を過ごしましょう。
例文2
皆さん、こんにちは。
残念ながら天候には恵まれませんでしたが、本日、○○小学校の運動会が無事に開催されることを嬉しく思います。
子どもたちは長い時間をかけて練習を重ねてきました。
今日その成果を見せてくれることを楽しみにしています。
保護者・地域の皆さま、日頃の温かいご支援に感謝申し上げます。
教職員の皆さまのご尽力のおかげで、今日を迎えることができました。
最後まで元気に頑張る子どもたちへ、温かい拍手をお願いします。
例文3
皆さん、おはようございます。
今日は秋晴れで、運動会にぴったりの気持ちの良い朝ですね。
子どもたちはこの日のために、日々の練習を一生懸命に頑張ってきました。
どうかその成果を思う存分発揮してください。
仲間を信じて、最後まで全力で取り組む姿を見せてくださいね。
皆さんの頑張りは、見る人すべての心を打ちます。
地域の皆さま、保護者の皆さまのご協力に、心から感謝申し上げます。
今日一日、安全に楽しく過ごせるよう、皆さまのご協力をお願いいたします。
例文4
皆さん、おはようございます。
今日は運動会にぴったりのさわやかな天気に恵まれました。
グラウンドには、元気いっぱいの子どもたちが集まりました。
この運動会が、一人ひとりの心に残る特別な一日になることを願っています。
大切なのは勝ち負けではなく、挑戦する気持ちと仲間と協力する心です。
保護者の皆さま、地域の皆さま、日頃からのご支援に心より感謝申し上げます。
教職員の皆さまも、日々のご指導、ありがとうございます。
みんなで協力して、笑顔の一日を作りましょう。
まとめ:心に届くスピーチには準備と気持ちが大切
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
運動会の祝辞は、形式的な挨拶というだけでなく、会のスタートを温かく彩る大切なメッセージです。
子どもたち、保護者、教職員、地域の皆さまに「今日もがんばろう」「参加できて良かった」と思っていただけるような一言が、祝辞には求められます。
明るく、わかりやすい言葉で、感謝や応援の気持ちをきちんと伝えることができれば、それだけで十分素晴らしいスピーチになります。
この記事で紹介したポイントや例文を活用しながら、あなたらしい言葉で、思いを届けてください。
あなたの言葉が、子どもたちの胸に残る素敵な運動会の思い出となりますように。